下肢静脈瘤の治療について|田守クリニック|JR芦屋駅近く|外科・内科・日帰り手術なら田守クリニック

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医療コラム

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下肢静脈瘤の治療について

 

前回、『下肢静脈瘤ってどんな病気??』

↳https://ashiya-tamori.com/?p=1929&preview=true

について投稿しましたが、

今回は、下肢静脈瘤の治療法についてご紹介いたします。

それぞれの治療にはメリットと注意点がありますので、静脈瘤のタイプや患者さんの状態によって適切な治療を選択する必要があります。

 

保存的加療(弾性ストッキングや包帯による圧迫療法)

医療用の弾性包帯や弾性ストッキングで足全体を圧迫することで静脈血の循環をスムーズにします。ただし根本的な原因である血管の治療ではなく、あくまでも症状緩和、予防や進行防止、現状維持を目的としています。静脈瘤の根本的治療ではありませんが、静脈瘤において重要な治療です

硬化療法

   

静脈の中に硬化剤を注射した後、皮膚の上から圧迫して血管の内側の壁をくっつけて、血栓化させて血管を閉塞させる治療法です。閉塞して固くなった血管はやがて組織に吸収されて消えます。負担は少ない治療法ですが軽度の静脈瘤(クモの巣状血管 )以外には有効ではありません。十分な効果を得るためには、何回か施行しないといけない場合もあります。また、硬化療法は注射した薬剤が血管壁にダメージを与えることで効果を発揮します。この過程で治療した血管周囲に炎症が生じることで、色素沈着を引き起こし、その跡が残存することもあります。

高位結紮(けっさつ)

足のつけ根を数センチ切開して深部静脈と表在静脈の合流する部分の血管を部分的に切除して断端を縛ること(結紮)で、血液の逆流を止める治療方法です。後述するストリッピングや血管内焼灼治療と比べて再発率が高いといわれています。

ストリッピング術

下肢静脈瘤の根本的治療として100年以上前から行われている手術で、足のつけ根と足首または膝直下の2カ所を切開して血管のなかに通した手術用のワイヤーで、弁不全を起こした静脈を引き抜く手術です。血管内焼灼手術(後述)で対応できない大きな静脈瘤にも対応できる治療法で、再発率は低いといわれています。

血管内焼灼術(ラジオ波、レーザー治療)

田守クリニックでは、ラジオ波(高周波)焼灼術を行っています。逆流の原因になっている静脈に細いカテーテルを挿入し、内側からラジオ波(高周波)による熱で血管の内側を均一に焼くことで、静脈をふせいで血液の逆流を止める手術です。静脈に熱を加える前にはTLA※1麻酔という注射薬を血管周囲に浸潤させることで、焼灼時の疼痛が緩和されます。血管焼灼術は、静脈を引き抜くストリッピング手術と同等の効果が得られ、身体的な負担が少ない手術方法で下肢静脈瘤の標準的治療になっています。

血管内接着術(グルー治療)

2019年に保険適応になった治療法です。焼灼手術と同様、超音波で確認しながら静脈に細いカテーテルを挿入し、下肢静脈専用に開発された医療用瞬間接着剤(グルー=糊)を注入します。接着剤を注入した部分を圧迫して静脈内腔をくっつけて閉塞させ、血液の逆流を止める治療方法です。下肢静脈瘤治療の中では最新の治療方法で、焼灼術よりさらに低侵襲な治療方法であり、皮下出血や痛み、神経障害などの合併症のリスクが低減されます。また、TLA麻酔※1や術後の弾性ストッキングの着用の必要がありません。ただし、術直後にむくみが強い方は弾性ストッキングによる圧迫療法が最適です。瞬間接着剤を使用するため、稀にアレルギー反応がでる方がいるため、症例によっては適応しない場合があります。

 

※1 TLA麻酔:0.05~0.1%に希釈したエピネフリン添加リドカインを大量に浸潤する麻酔法です。もともとは日帰りの脂肪吸引手術などに使用されましたが、日帰りの血管内焼灼術を可能にしているのがTLA麻酔です。

 

田守クリニックでは、保険適応で下肢静脈瘤の治療が可能です。また、日帰り手術のため入院の必要がありません。患者様の症状や年齢、社会背景を考慮した上で治療方法を相談しながら決定します。

どうぞお気軽にご相談ください。