下肢静脈瘤で皮膚炎が起こる?|田守クリニック|JR芦屋駅近く|外科・内科・日帰り手術なら田守クリニック

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医療コラム

下肢静脈瘤で皮膚炎が起こる?|田守クリニック|JR芦屋駅近く|外科・内科・日帰り手術なら田守クリニック

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下肢静脈瘤で皮膚炎が起こる?

肢静脈瘤の最も重篤な合併症の1つ『静脈うっ滞性皮膚炎です。

しかし、下肢静脈瘤で皮膚炎が起こることは意外と知られていません。

皮膚炎を起こしたときに、まず皮膚科を受診される方が多いです。

けして間違いではありませんが、皮膚科的治療を継続してもなかなか症状が改善しない場合、下肢静脈瘤を疑われて当院を紹介受診されるケースも珍しくありません。

うっ滞性皮膚炎には様々な種類があり、皮膚科との病気の鑑別診断が非常に難しいです。

静脈うっ滞性皮膚炎を合併した場合は基本的に下肢静脈瘤の治療が必要ですので、早めに専門の医療機関で診てもらう必要があります。

 

うっ滞性皮膚炎とは?

うっ滞性皮膚炎とは、主に膝より下の血液や体液流れが何らかの原因で正常に流れなくなり、皮膚に炎症が生じる病気です。

静脈の血液が脚にたまる『うっ滞』によって皮膚障害が起こる皮膚炎が静脈うっ滞性皮膚炎と呼ばれています。

静脈うっ滞性皮膚炎は、足のむくみのほか血管がこぶ状に浮き上がってくる下肢静脈瘤などの血管の異常が原因で起こります。

下肢静脈瘤は、高齢者や肥満傾向にある女性に多く認め、妊娠を機に発症する方もいます。

また、遺伝による影響や長時間の立ち仕事または座り仕事など長時間において足の血流が滞りやすい方が発症するケースも多く、男女問わず発症する可能性があります。

 

症状について

静脈うっ滞性皮膚炎は大きく以下に分けられます。

・色素沈着

 

・脂肪皮膚硬化症(しぼうひふこうかしょう)

※脂肪皮膚硬化症(硬化性脂肪織炎):皮膚が硬く厚くなって痛みを伴う症状

 

・湿疹

これらが単独、あるいは組み合わさって発症します。

 

最初はかゆみや皮膚の赤み、うろこ状のような角質の剥がれから発症することが多いです。その後、進行すると皮膚が茶褐色に変化して潰瘍かいよう(ただれ)ができるようになります。また、潰瘍部分に菌感染を伴う恐れもあります。

初期症状、赤み

うろこ状のような角質の剥がれ

潰瘍化

 

静脈うっ滞性皮膚炎では皮膚が茶褐色になる色素沈着が有名ですが、そのほとんどが、脂肪皮膚硬化症や湿疹にともなって起こる二次的な変化といわれています。

色素沈着だけで脂肪皮膚硬化症や湿疹がない白色皮膚委縮や出血性静脈瘤と呼ばれる病変の場合は、下肢静脈瘤治療の必要がありません。

 

 

検査・診断

静脈うっ滞性皮膚炎の診断は、皮膚症状の外観や慢性静脈不全症などの有無などを確認するために問診、視診、触診などを行います。

そして、下肢静脈瘤の有無(静脈弁の逆流の有無)を調べるため、超音波検査などの画像検査を行います。

下肢静脈瘤の原因である静脈弁が逆流している可能性のある足のつけ根や膝裏の血管を超音波画像を診ながら逆流の有無を確認します。

 

 

治療

静脈うっ滞性皮膚炎によって、かゆみがある場合には軟膏を使用したり、潰瘍化している場合には洗浄や軟膏処置などの対症療法をおこなう必要があります。また、静脈うっ滞性皮膚炎に対しては、下肢静脈瘤の治療をすることで、潰瘍や皮膚病変の改善を期待できます。

下肢静脈瘤治療法には、保存的療法手術療法があります。

はじめに、かゆみの強い場合は軟膏を使用したり、潰瘍化している場合は洗浄や軟膏処置を行います。同時に弾性包帯や弾性ストッキングで脚を圧迫する圧迫療法を行います。この圧迫療法は、脚の静脈に血液がうっ滞するのを予防する目的としていますが、清潔に保つ、クリームや軟膏を塗るなどします。うっ滞性皮膚炎の治療は、保存的治療と手術治療があります

下肢静脈瘤の治療についての詳細コラムはこちら|田守クリニック|JR芦屋駅近く|外科・内科・日帰り手術なら田守クリニック (ashiya-tamori.com)

 

保存的治療は、弾性包帯や弾性ストッキングで下肢を圧迫することで、静脈血の逆流を予防します。

圧迫療法は完治を目指す治療法ではないですが、下肢静脈瘤や静脈うっ滞性皮膚炎治療において症状の悪化や改善を見込める非常に重要な治療です。

 

保存的治療とあわせて、下肢静脈瘤の根治を図る治療法には手術療法を行います。

 ・硬化療法

 ・高位結紮(けっさつ)術

 ・ストリッピング術(静脈抜去術)

 ・血管内焼灼術(ラジオ波、レーザー治療)

 ・血管内接着術(グルー治療)

 

田守クリニックでは、主にラジオ波による血管内焼灼術や医療用接着剤で静脈血管内をくっつけて閉塞させる血管内接着術を行っております。

原因となる血管を引く抜くストリッピング術と比べると手術を受ける患者様の負担は少ない低侵襲な手術方法です。

また、症状や年齢、生活背景などを考慮して、高位結紮(けっさつ)術や硬化療法を行う場合もあります。

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最後に

静脈うっ滞性皮膚炎症状のある下肢静脈瘤は、早期発見、早期治療を行うことが重要です。

脚のむくみ、かゆみ、湿疹、赤みなどがある場合は早めに受診していただくことをお勧めします。

長年放っておくことで、変色が進行して、色が濃くなるだけでなく広範囲に広がる可能性もあります。色素沈着したものは、下肢静脈瘤の根治的手術を行っても色素の改善は難しいです。

そしてなにより、静脈うっ滞性皮膚炎を起こした皮膚は、軽い傷もすぐに潰瘍化するリスクがあります。

 

    神戸市や西宮市などからも受診お待ちしています。